日頃から、汗っかきのB男さんは少し動いただけで出る汗をとても気にしていました。
取引先から営業所に戻る前も、「職場のみんなに『くさい!』って思われてないかな・・・」と不安な気持ちになり、デオドラントスプレーを使ってみたり香水をふりかけてみたりと試行錯誤の毎日を過ごしていました。夏場の暑い日などはそれはもう入念なケアでした。
いつものように、営業所に戻ってきてトイレに直行し、汗を念入りに拭いていると同期のNさんにその姿を見られてしまいました。
「N・・・。お願いだから、みんなには内緒にしてくれよ。・・・あのさ、俺ってにおうかな?わきがなのかな?」
B男さんは思い切って悩みを、Nさんにぶつけてみることにしたのです。
「B男、お前気にしすぎじゃないのか?お前、そんなにおわないぞ。自己臭症じゃないのか?」
「自己臭症?!」
「そう、自分のにおいに敏感になってしまう神経症のことらしいよ。オレの妹がそうだったから、そのへん意外と詳しいんだ。」
Nさんに薦められ、B男さんは病院に足を運ぶことにしました。結果は、やはりわきがではなく自己臭症でした。大量に汗が出るあまり、汗=においが発生する、とB男さんは思い込んでいたのです。
自己臭症は、世間ではまだまだ知られていないがために、自分はわきがではないかと悩んでしまっている人が人知れずいるのが現状なのです・・・。