Aさんは中学生の頃、ある日突然、仲間から無視されはじめました。
「今度のターゲットは自分かぁ」。
初めはそう思っていました。クラスのリーダーは、ターゲットを気分次第で変え、クラス全体もリーダーの方向性にあわせていました。
自分もいつかターゲットにされる・・・。そう思っていただけに、一定期間我慢していればまたもとに戻るだろう、と半ば諦めの気持ちをもって一人で過ごす決意をしました。しかし、気がつくと他のクラスの人からの変な視線に気づき、不安な気持ちが強くなりました。親友だったN子に勇気を出して電話してみました。
「Aちゃん・・・」
はじめは、困惑気味だったN子もAさんの懇願に心を動かされたのか、ぽつりぽつりと話を始めてくれました。
「実はね、今回は特別なケースなの」
「特別?」
「Aちゃんさ、傷ついたらごめんね、あのね、みんなはね、Aちゃんのニオイ、わきがじゃないかって」
「わきが?」
Aさんはそのとき、はじめてわきがの事実を知りました。それから、わきがについて書籍やインターネットでいろいろと調べ、自分でニオイ対策を始めました。
それから自然に、周囲と以前のように接することができるようになりました。わきがについて、学校の保健の授業では教えてはもらえません。中学生になっても言葉すら知らない人もいます。
周囲から指摘されるのは、つらいことではありますが早い時期に自分で気づくことができよかった、とAさんは思っています。